(2002年4月14日sun)


とりあえず真っ白な灰の様に燃え尽きた前回公演からしばらく、今ちょっとした無気力症候群(アパシー)に陥っている。
バタバタと忙しい毎日から解放され、急に何も無い毎日に放り込まれると、何だか何をやったらいいのか分からなくなってしまうのだ。にしても、こんな気持ちになる事自体実に久し振りな気がする。今まで「コレが終わったら次はアッチ」みたいにキツキツに舞台の予定を組んでいたが、今年は何だか客演のお話がまるで無い。そんなんで大丈夫なの俺?!なんて思わなくも無いが、まあそんな事もあるわさ。


という訳で心機一転、実は4月の頭から週一回、僕は「道場」に通って、殺陣(たて)やアクロバットを習っている。
この「道場」は、以前ウチの土屋が『AFRO13』に客演した時にお世話になった殺陣指導の方で、今は無き元『MOTHER』の役者兼殺陣師の清水順二さん(勿論JAC出身)が主宰する『Team AZURA』という役者向けのアクション道場なのだ!ここに来て“何故アクションなのか?”とお思いの方も多いでしょうが、そこには“なんかデブ(俺)がバク転出来たらウケルだろうなぁ”という面白優先視点と、“俺は新感線に出れても何も出来んかったなぁ”という内省的自己練磨視点とが複雑にブレンドされた豊かな土壌と、やる事を見つけた!という何かガムシャラに打ち込むものへの憧憬の様な、…考えすぎたヤメヨウ、てな具合に一生懸命倒立前転をやったり木剣を振ったりしている。

だから今日も朝の9時に家を出て、木剣片手に2時間かけて『春日』にある日光江戸村の『小石川道場』へ向かう。
“小手さんはアクションが出来る様になって芸域が益々広がったなあ”いやぁそうでもないですよ(笑)、なんて考えてる余裕は全く無い。ただ黙々と11時から1時まで、道場で汗を流し、その足で今度は天王洲の『スフィアメックス』へ向かう。そう、次回公演でお世話になる劇場だ。
『水道橋』まで出て『品川』へ。2時に『天王洲アイル』に到着。ちょっと遅れて劇場に入る。実は劇場の視察がてら『演ぶゼミ・村上クラス』の卒業公演に遊びに行った訳である。若い皆さんのシニカルな熱演に、オモシロ以前にまず自分の新人公演を思い出してしまい、何だか気恥ずかしくなってしまう。が、それとはまた別にちょっと深刻な心境で舞台(空間)を見てしまった。この劇場は何度も来ているが、ここで公演を打つという心境で改めて空間に身を置くと、ちょっと想像と違ってたりする。「何をやりたい」「何が出来る」そんな事を考えていたら、舞台にコントの審査員として知った顔が登場した。あれ、今林さんとレオと社長※じゃねえか。
※今林さんは勿論『双数姉妹』の看板さん。レオとは『拙者ムニエル』の澤田育子さんの愛称。社長とは小劇場のドンことヴィレッヂ(新感線)の細川社長の事である。
観劇後、疲れ顔のむーさん(村上さん)に挨拶してると、社長が“飯でも”というのでノコノコと付いて行く。結局ちゃっかりと中華をご馳走になってしまった。この後の予定の事がふと頭をよぎってしまったが、誘惑に勝てずビールに手を伸ばす(一杯だけヨ)。そして自分が殺陣を習い出した事を社長にアピールしつつ、「小劇場の今」談義に花を咲かせつつ、社長と同級生の『KOKAMI@network』こと鴻上さんの人となりについて告白されつつ(!)、ほろ酔い満腹で店を出る。そして社長は“中野方面の人は一緒に!”という鶴の一声で俺以外の全員をタクシーに乗せて、発進。行っちまいやんのな!!マジで。
ふつふつと湧き上がる黒感情に支配され、無意識に木剣を抜刀する僕。しかしその時、僕の手を背後から優しく包み込む半透明の手が。“…ああ!世渡り天使さま”
世渡り天使: 「…権力。」 (バサバサバサ=飛び立つ)
ワイヤーに吊られて舞台下手にハケて行く世渡り天使に見送り、僕は仕方なく独り『渋谷』へと向かった。

さて…とぉ?
6時、これから始まるのは我が『innerchild』の公演終了後初の「ミーティング」であり、決算報告会でもある。『ルノアール』に続々と集まってきていたメンバー達。俺最後でやんの。この大事な会の前に何をやっていたかなんて、とてもじゃないが言えなかったので、今こんなカタチで告白する事になっています。
まあ、何が話し合われたかとかは詳しく書けませんが、ふざけた文章がおおよそ似合わないシビアな話し合いになったので、まあ今回はこのへんで。
そういえば今日車じゃなかったわー。(連載主旨完全無視)


-今回の写メール-

お礼は女性なら肌で、男性なら仕込バラシで。
名文句で有名な細川社長(独身)にゴチになった面々。
今林さんは大事な稽古に遅刻しました。(俺もやや)