(2005年3月)


1日(火)
遂に3月に入ってしまった。状況は顔合わせ当初の予定から予定通り遅れている。なんだこのレトリックは?各自に任されている「芸人ネタ」で、自分は「ヒロシです」をもじって「お父さんだよ」というネタを考えているんだが、既に一巡りして訳の分からないゾーンに突入中。どうしよう…。

8日(火)

朝っぱらから東武伊勢崎線「牛田駅」に集合。今日は「中近東ネタ」で「金八先生」のオープニングをパロるため、その撮影にやってきた訳ですが…遠ぉいぃ!横浜市民には絶句するほど遠い!後々の行動をさんざんシミュレーションし、悩んだ挙句車で向かう。そして迷う。
演助のハナ(端由紀子)に大通りまで迎えに来てもらいつつ気持ち遅れて到着。辻(修)君がまだ到着していなかったので、駅前で鳩と戯れる。警戒心ゼロで異常接近する足立区の鳩。パンを無視して豪快に俺の指に食らいつく鳩。その貪欲ぶりがオモシロいので遅れてきた辻君の頭にパンを乗せて鳩の群れの中に置く罰ゲーム開催すると、あまりに怯える辻君に逆に鳩が怯え大変な騒ぎになる。その楽しそうな風景に地元のおばちゃんも誘われて寄って来たので、「途中下車の旅」よろしく微笑ましい交流なぞしていると、どんどん「いい大人が鳩とはしゃいでいる様」を再認識させられ、いたたまれなくなって逃げるように「荒川河川敷」に向かう。途中迷ったりもしたが、啓(加藤)の「ご年配とすぐに打ち解ける能力」を駆使して道を聞きながらようやく荒川土手に到着。早速ドラマと同じアングルを探して撮影準備にかかる。
ここに着く前、特にロケの全員参加が決定した前日、「(夜から三鷹で稽古なのに)何でわざわざ荒川まで行くんだ?多摩川で良くねぇ?」などとぼやいていた一同ではあったが、リハーサルがてら実際のオープニング映像をパソコンで確認しつつ撮った映像を観て、すぐさまその考えが浅はかだったことを知る。「金八のまんまだ!」爆笑と共にうっすら感動すら覚える一同。やはり「本物の場所」の持つ威力はスゴイ。テイトーに撮ってるのに、歩いてるチヨ(千代田信一)ちゃんがホントに「金八」に見えるんだから不思議だ。確かな手応えを感じた我々は早速衣装を着替え、本番の撮影に掛かる。ボロ布をまとい、ターバンを巻き、手には機関銃。どっから見てもイスラム過激派だ。…まずい。通報される。早く撮っちゃおう。
キャスティング=「金八」:チヨちゃん・「ダンボールで滑ってる子供たち」:俺/のぶえ(池谷)さん・「通り過ぎるマラソンランナー」:辻君/啓

ロケ地の持つ「本物力」に後押しされ、撮影はわずか3テイクでクランクアップ。屋外で確かに花粉も辛かったが、天気にも恵まれ日差しが心地良い。「このままピクニックにでも行きたい気分だね(笑)」「稽古サボっちゃう?(笑)」「いいねぇ〜(笑)」軽口を叩きながらもいい仕事をした感一杯の良い表情をした一同の表情が、なんか、なんだろ、みるみる曇っていくな。…そんな状況じゃねぇんだよなぁ。


『ロイホにて』
三鷹へ向かう道すがら、見つけた「ロイホ」で遅い昼飯。みんな疲れすぎてなかなか注文が決まらないの。
『ごちそうさま?』
辻君が頼んだカレー。オイシイはずなんだが、この時点で「おなか一杯」と言い出す様に一同仰天。ちゃんと食えって!そして酒量を減らせって!

14日(月)
ホワイトデー!「ヤング〜」の方では「ブルースカイが盗撮で捕まり稽古に遅れるという制作サイドの告知の後、本人が写メールモード全開にして稽古場にやって来て男たちがキレる」なんていうサプライズイベントで盛り上がったらしい。それをマジで信じちゃったゆき(清田)が泣いちゃったらしい。
…楽しそう。…いや!インチャイで苦楽を共にしたゆきをそんな目に合わすとわ!許せん!ハシャギ過ぎだ!(我々を差し置いて!)
今回は三鷹のプロデュース公演なので、有難いことに実際に舞台セットを作りながら稽古が出来る…のだが、既に組み上がりつつある舞台は「早春ヤングメン」の設定にのっとっているので、非常にリアルに「演劇部の部室」が再現されている。今自分たちのやっていることの8割はこのセットと一切カンケーがないので、見ていると段々「俺たち、いらねーんじゃないか」などと余計に置いてけぼり感にさいなまれる「ミッド」ことアダルトチームの面々。やや地味にホワイトデーのお返しなど披露しつつ、ストイックに稽古に励む。

15日(火)

ふと舞台を見ると、「部室」の壁には様々なチラシが貼られている。後にそれは小道具:松浦(孝行)さんの仕業だと判明したが、これらのチラシを見て俺はギョっとしましたよ。だって、その半分以上が俺の「演クラ(早稲田大学演劇倶楽部)」時代の出演作なんだもん!恥ずかしさの余り赤面を通り越して赤鬼と化す俺。
「オオゴトー!オオゴトー!」と叫ぶ俺。もちろんこれは英語の「Oh! God!」と掛かった言葉遊びだ!(赤鬼ロンドン・バージョン)
すいません、すいません、すいません、諸方面にすいません、筆が走っただけなんです。
ノスタルジックな感慨に浸っている内に、何だか頑張ろうという気分になった。


『チラシ@』
俺の記念すべき新人公演「トーキョー裁判」ちなみにチラシデザインは俺。

1994年9月
『チラシA』
今は無き伝説の劇団「オハヨウのムスメ」ハンサムタワーズ誕生!(知らねって)
1995年2月
『チラシB』
同じく「オハムス」第4回ガーディアンガーデン出場。iOJO!さんと一緒だったなぁ…。
1995年6月
『チラシC』
演クラの企画公演「肉屋の従兄・妹の男」この年計7本の芝居に出演。信じられん。
1995年12月
『チラシD』
同じく演クラ企画「オムニバスでいこう」あんまし覚えてないが、かなりヘコんだ記憶が…。
1996年3月

16日(水)
明日より「ヤング〜」の方が先に初日を迎えるため、実質稽古最終日となる。とは言うものの、「猥歌ネタ」「逆再生ネタ」が未だ固まらない。大まかな構成は既に完成しているが、このままの上演を強行すれば軽く2時間半に及ぶことは明白だ。根本的なネタのカットが必要だと主張する出演者たち。「ミッド」は楽屋でひたすらミーティングに及び、貴重な時間は刻一刻と失われていく。「芸人ネタ」のカットを主張するチヨちゃんと啓。「猥歌」カットを力説する俺。その論理展開は極めて明確且つ合理的なものだが、どうもその下心に苦手意識がチラチラしてる感アリ!全体の利益と個人の利益を同化させる辺りは、さすがオーバー30s。…結果、残念なことに先月からあれだけ頑張ってきた「逆再生ネタ」をカット。「猥歌ネタ」の完成に全力を注ぐこととなった。
舞台上では美術:秋山(光洋)さんの手により「作詞・小手伸也と書かれた巨大な猥歌の紅白幕」が!今更ながら補足しときますと、「猥歌(ワイカ)」とは卑猥な歌のことです。性をテーマとした唱歌や色歌からエロい替え歌まで含め「猥歌」と言います。そんなもの作って、(財)三鷹市芸術文化振興財団は大丈夫なのか!?明日幕、開いちゃうけど。


『衣装合わせ』
辻君の「馬」の衣装。といってもほぼ裸ですね。
この不気味カワイイ感はきっと女子高生受けします。銭の匂いがします。
是非グッズ展開を!

ローションプレイ
生まれたての子馬のヌルヌル感を表現するため、全身にローションを塗られた辻君の右乳首。たまりません。
是非グッズ展開を!

18日(金)
本番当日。昼間の時間にゲネ。役者もスタッフも正しく「綱渡り」のようなゲネ。アクシデント続発!でもここはもう芸達者なミンナの「役者力」に頼るしかない。アドリブには弱いが冷静に作り込むタイプののぶえさん。一点突破主義のテンション力を持つ辻君。実直なまでにオモシロ空気を出し続けるチヨちゃん。むしろハプニングが大好物の啓。そして100%前進主義の俺。それをむーさん(村上大樹)が上手くまとめてくれりゃあ、まあ何とかなるさ!コントなんだし!

で、初日。辻君がしょっぱな舞台(ロッカー)を壊した位で(ん?)、無事(んん?)幕は下りた。まあ、何とかなった訳だ!
「テキトー」を「全力」でやり切った。だから、もんのすごぉーくぅ…疲れた。初日は演劇関係者も多く、打ち上げ会場には、ナイロンの峯村(リエ)さんやら猫ホテのイケシン(いけだしん)さんやらドーナツのジュリ(高木珠里)さんやらカムカムののり(藤田記子)やら、それに身内(ムニエル)のいっつあん(市川訓睦)やレオ(澤田育子)、インチャイでもお馴染みのハイレグ坪ねぇ(中坪由起子)なんかも居たりして、多数の演劇人がワンサと賑わっていた。みんな面白かったと言ってくれたし、「お父さん」ネタ最高!とか言ってもらえた。…が、諸手を挙げて喜ぶにはまだ早過ぎる。でも、後5ステしか残っていない。時間が欲しい。


お客さん〈その1〉
いっつぁん&レオ&のり。歳のせいなのか話題がストレートにヒワイな方向へ走る。とくにこの女二人は赤丸急上昇中。三十路万歳!(玉砕)

お客さん〈その2〉
その対面にはイケシンさん&チヨちゃん&坪ねぇ。イケシンさん曰く「一番気持ちいい体位は〜」ああダメだこりゃ。
坪ねぇは話に入って来ませんでした。(大人)


20日(日)
「ミッド〜」が昼終わりだったので、そのまま残って夜の「ヤング〜」を観劇。明日「ヤングチーム」出演中のヨーロッパ企画永野(宗典)くんと「演ぶ」の取材で対談しなければならないので、今日観なければという義務感もあったのだが、正直「ヤング」が何やってんのかちゃんと観ておきたかった。
…感想。確かに2時間半は長かったが、観れた。なんか良かった。なんか羨ましかった。なんだろ、隣りの芝生は青く見えるということかしら。ゆきも頑張ってたし、皆良かったと思うぞ。(エラそうだし年上目線)くわしくは「演劇ぶっく6月号」で!

23日(水)
休演日を利用して「InnocentSphere」を観に行く。パンフに寄稿したりしてるんでやたら厚遇されるが、もとよりイノセントの皆さんは何故か俺に対し頭が上がらない感を醸し出してくる気が…。何故?向こうの方が先輩劇団なのに。俺、そんなにエラそう空気出してて近寄りがたかったりするのかなぁ…。西森(英行)君とはまたいつか「小難しい話」をしたいものだ。

24日(木)

気がつけば公演も折り返し。今日はハッポウの皆さんがこぞって観に来てくれたので終演後一緒に飲む。愛(小林)ちゃん、チアキ(福田)ちゃん、制作部飯野(千恵子)さんのテーブルにお邪魔すれば、思い出話にも華が咲くというものだ。それにしても、ほんの一月二月前の出来事なのにやたら『ツカエナイト』が懐かしく感じるのは何故だろう?それだけ脳が加速した時間を過ごしてるってことか…どうりで疲れる訳だス。アンマリに舞台上とテンションが違うので、程なく心配されるが…そんなね、舞台外でもオモシロでなんていられないんスよ!と、ややキレ気味に机を叩いて主張したところ、置いてあった箸の端の部分を叩いてしまいテコの原理で跳ね上がった箸が空中で半回転して見事に右目に突き刺さる。(尖った方)
だから、オモシロはいらんっちゅーねんっ!!


お客さん〈その3〉
愛ちゃんと、いい顔を作ろうとして結果的によそよそしい感じになってしまった男の写真。すまし顔がもう全然ダメです。
お客さん〈その4〉
チアキちゃん&制作助手飯野さん。
いい写真です。写り方を心得ている。それに比べて隣の男ときたら…失格です。何オモシロ電源切っちゃってんだって話ですよ。
…と思ったら思わぬハプニングが!
逃れられない宿命を感じます。

26日(土)
「ヤング」より一足先に「ミッド」千秋楽。お疲れ様でした。ああ、ようやく「無理矢理オモシロいことを考え続ける日々」から開放される。オモシロ食傷気味な俺。「ミッドチーム」関係者だけでしっとりと打ち上げ。そして辻君はしっとりと酔いつぶれ、やがて動かなくなりましたとさ…。めでたし。めでたし。

27日(日)
「ヤング」千秋楽。そして全体打ち上げ。「ミッド」の皆さんはただ飲むためだけに三鷹にやって来ました。色々あったなぁ。楽しかったなぁ。ツラかったなぁ。…人がいっぱいいるなぁ。「ヤング」「ミッド」スタッフ入り乱れての総勢50人以上の大宴会。知ってる人も山ほどいるが、知らない人も多い。交流と挨拶を繰り返している内に時間があっという間に過ぎて行く。午前2時を回ったらへんで、恒例のチヨちゃん&むーさんの大喜利形式の「大入」大会。まぁ何をするのかというと楽屋王千代田を追い詰めてオモシロいコメントをさせつつ人を紹介して「大入袋」を配るというムニエルの必須イベントなんだが、何だか流れが変な方向に傾き始め、結果「ミッド」全員で交代にやるはめに。だからぁ…舞台外でもオモシロでなんていられないんスよ!「じゃあ次から小手さんが!(大入の束を渡される)」えー!どうもどうも!ハイ!そーゆー訳でね!続いての人はですね…出た!!えー、この方はですね…(フェードアウト)

30日(水)

一つの本番を終えると大概風邪を引くんだけど、ここ去年からずっとその隙すら与えられない。もう来月からは次の「bird's-eye view」の稽古が始まる。少しでも英気を養おうと大好きな「HMV(毎週水曜はダブルポイント)」へ。長居するつもりはあまりなかったので、路駐でいいやとハザードランプを点滅させて30分ほど店内を物色。一通り満足して帰って来ると…この先はもう書きません!!3月もこれにて終了!!お疲れ様でした!!


悪魔の紙
駐禁の場合道路にチョーク書きというのが定番と思ってたので最初は全く目に付きませんでした。「クルマが無い」と気付いた瞬間のあの背筋がゾワッとする感じ、二度とゴメンだ!